ロストハウス

2014.04.28 Monday

藤本由香里さんの「きわきわ「痛み」をめぐる物語」という本を少し前に読みました。
最初の章を読んで、ぐっとひきこまれ、一気に読んでしまいました。
はじまりは、本の表紙の写真にも使われている蜷川実花さん監督の「ヘルタースケルター」から始まる、表面の傷・「痛み」の力 ーコミックの中の自傷
岡崎京子さんの漫画を夢中で読んでいた頃の記憶が一気に蘇ります。ただ過去に思いを巡らすというよりも、今の若い人たちに人気のある漫画も多く取り上げられているので、その対比も面白いです。
この本の中に出てくる漫画や小説、エッセイどれも読んでみたいものばかりで、その中のいくつかの本を読みました。
すごくいろいろ書きたいのですが、止まらなくなりそうなので、自分用のメモ書きとして。
ちょうど図書館から、ここに出てくる萩尾望都さんの「青い鳥」をたまたま借りていたのと、もう1冊「感謝知らずの男」を読みました。
「感謝知らずの男」って、すごくいいタイトル!
古い漫画は手に入りにくいことも多いですが、検索すると図書館にあったりすることも多いです。
去年、吉田秋生さんの漫画を読み直したいと思っていたのですが、図書館に「吉祥天女」も「BANANA FISH」も「海街diary」もその他にもいろいろありました。
「きわきわ」の中に出ていた、大島弓子さんの「ロストハウス」この作品も今読み直すと凄いですね、、。
昔読んだような記憶がありますがその時は全然、意味がわかりませんでした。
隣に住んでいた男の人がホームレスになったことを知り、主人公の女性は「ああ 彼はついに 全世界を 部屋にして そして そのドアを 開け放ったのだ」
「わたしは わたしの前で 世界のドアが とつぜん 開け放たれて いくのを 感じていた」この言葉を読みながら、ちょっと坂口恭平さんの「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」を思い出したりしました。
この「ロストハウス」も凄いのですが、「8月に生まれる子供」という作品も凄かったです。
急に歳をとる病気になってしまった女の子。おばあさんみたいになって、物忘れがひどくなったり、急に怒ったり徘徊したりと認知症のような症状に、、。
そんな中、彼女は安楽死をこい願う手紙を書く。でもそんな彼女があるものとの出会いからそれでも生きたいと思う。

前に尊厳死についてのシンポジウムに行ったり、本を読んだりしていた時にすごく印象に残っていた言葉があったのですが、延命をしなくていいと決めて、文章で残していても、最後の最後にやっぱり生きたいと気持ちが変わることもあるという話を聞いた時、最後の最後まで人の心は揺れ動くだろうし、迷い続けるんだろうなと思って。
人の生き死にのことに関しては何も言えませんが、自分のこととして。
そんなことを考えていたのですが、もう20年以上も前に大島弓子さんは作品の中でそのことを描いていたんですね。

もし皆さんのおすすめの漫画があったら教えてほしいです。

 

バウスシアター

2014.04.28 Monday

6月の10日で、吉祥寺にある映画館のバウスシアターが閉館してしまうとのこと。
バウスでアルバイトをしていたこともあるので、寂しいです。
最後にバウスで映画を見たのは、久保田真琴さんの「スケッチ・オブ・ミャーク」だったかな。
バウスでアルバイトをしていたのは、もう10年以上も前ですが、その時期が今までの中で一番、映画館で映画を見た時期かも。
他の映画館の上映情報も、チラシなどを見て知ることが出来たので。
バウスシアターで見た、ラースフォントリアーの特集、カサベテスの特集、何の特集か忘れましたが、日本の古い映画も面白いのかも?と思うきっかけになった映画「州崎パラダイス」。
ラースフォントリアーは「イデオッツ」とか「奇跡の海」とか本当に強烈でした。「イデオッツ」は知的障害者を演じるグループの話で、見たのが昔でうろ覚えなのですが、確か本当の知的障害者と対面してとまどうシーンもあったような。今、もう一度見たい映画です。
当時、バウスで働いていた人はみんな映画や漫画やアートやカフェ、そういうものが好きな人ばかりで本当に楽しかったです。
私は、写真をやるために東京に出てきたので、この永遠に楽しいままでは自分はダメになってしまう!と思って、バウスを辞めて、環境の全く違う、固い勤めのカメラマンになったのですが、頭の中は中央線女子のままでした今思えば。
だから、勤めもうまくいくはずもなく、、、。迷惑ばかりかけてしまいました。

最近、一周まわって、やっぱり漫画とか映画とか好きだ!!!とようやく開き直っています。

閉館までのバウスのラインナップが凄すぎて、どれに行こうか迷います。
見たかったけど、見逃している映画も多いし。あと、爆音も行きたい!!

吉祥寺バウスシアター

 

富士塚

2014.04.24 Thursday

写真展を見た後、品川から大井町まで歩いてみました。
京急線の通る大きな道路を歩いていると、ふと神社があり、どこかで見たことがあるような。
京急の品川から横浜方面へ向かう時に車窓から見えていて、行ってみたいと思っていた富士塚。
もしかして、ここでは?と神社の階段を上がってみたら、ありました!富士塚が。

 






さっそく登ってみました。





あっという間に頂上に。

 
大井町に行きたかったのは、「肉のまえかわ」という肉屋さんの立ち飲みに行きたかったからでした。
でも、仕事帰りのおじさまたちですでに一杯。3週ぐらい店の前をぐるぐるしましたが、勇気がなくて入れませんでした。
次こそは!

 

上野駅の幕間

2014.04.24 Thursday

品川のキヤノンギャラリーで行われている、写真家の本橋成一さんの写真展「上野駅の幕間」に行ってきました。
今から30年以上前の上野駅とその場所を行き来する人々の写真。
駅のホームや構内、いたるところに座って、お弁当を広げたりお酒を酌み交わす人々。
車内に一升瓶を置いているおじいさんも。今は新幹線で早くなったけれど、昔は一升瓶をちびちび飲めるぐらいの長い旅路だったんだろうな、なんてその一升瓶から想像したり。
1枚1枚の写真がとても力強くて、写真の合間にある文章も、さりげなく味がありずっと眺めていたいような写真展でした。
今の上野駅からは想像できないですが、ゆったりとした時間、誰がいてもいいような、それが許される場所であったんだというのが伝わってきました。
その空間を幕間という言葉を使って表現していて、その幕間という言葉もいいなと思いました。
言葉から写真が、写真から言葉が広がってゆくような、そんなイメージを感じました。
言葉によって写真が不自由になってしまうことについて最近、ちょっと考えていたので、こんなふうに写真を広げてゆく言葉を探していこう!と思ったのです。

展覧会を見終えて、芳名帳に名前を書いていたら、本橋さんが会場に!思わず、声をかけてしまいました。
撮影の時の様子について少し聞いたのと、どうやったらこんな迫力のある写真が撮れるんですか?と今思うと間抜けな質問をしてしまいましたが、ずっと撮り続けていたら撮れるようになりますよと優しく答えてくれて、なにかとても嬉しかったです。

展覧会は5月2日の金曜日までです。

 

日々の出来事

2014.04.22 Tuesday


 

昨日までの三日間、フォトグラファーズセッションで作っているオンデマンドの写真冊子の締め切り、去年ある本のために撮影した写真の確認、写真雑誌への持ち込みと、全部のことに感じること考えること、言葉になって回転してゆくことがありすぎて、書きたいことが多い時ほど、何から書いていいのかわからない状態でした。
フォトグラファーズセッションで作っている40ページほどの写真集。自分の作品を組むことは自分の写真をよく見なくてはいけないので鍛えられます!
ちょうどその合間に人が組んだ写真を見ていて、こちらは目から鱗。新鮮な驚きがありました。
写真雑誌への持ち込みは、遅れてはいけないと競歩で歩いたところ、新陳代謝が激しすぎて滝のような汗がとまらなくなってしまって、気がつくとソファーにまで汗が、、。
久々ににおろおろしてしまいましたが、写真を丁寧に見てもらい対話の中から気づきもたくさんありました。
カメラマンとして雑誌に営業の持ち込みに行ったことはあったけれど、こうやって写真の専門の編集者の方に作品を見てもらうようなことはあまりなかったような気がします。
写真を人に見てもらうという単純なことですが、今までは必要以上に構えてしまっていたのかもしれません。
最近、撮影に関しても今まで写らなかったものが写ってる!と思える瞬間があって、そういう時は今までやってきたことが無駄でなかったんだなと思えます。でも全然、まだまだなんですけど。

 

祖父の写真

2014.04.15 Tuesday

あるネガを探していて、見つけた父方の祖父を撮影した写真のネガ。
たぶん、撮影したもののプリントした記憶がなかったので、写真屋さんでプリントしてもらいました。
駅でいうと駒込が近いと思うのですが、田端銀座という商店街にある「カメラトップス」という写真屋さん。
ブローニーのフィルム現像もプリントもお店でやっていて、プリントは普通のプリントからハイキーやポラロイド風、ハーフトーン、極彩色などいろんなバリエーションから選ぶことが出来ます。
すごく近所というわけではないですが、自転車で行ける範囲にこういうお店があるというのはとても心強いです。
祖父の写真を撮影した当時、思うところがあって増感して撮影していることが多かったので、写真はがちがちですね、、、

先日、城崎へ行く途中に私が結婚する前に一人暮らしをしていた母方の神戸の祖母の家へ寄ってきました。
祖母が亡くなった後に私が一人で住んでいたので、今は空き家となっています。
置いてきたネガやプリントを発掘して東京へ宅急便で送り、東京に戻ってしばらくそのネガやプリントを見ていたのですが、今はもう会うことのない人や亡くなった人の写真がたくさんあって、亡くなった人は写真の中では今も生きていて、目の前にいるような不思議な感覚に陥りました。

結局、探しているネガは見つからないままです。


 

today's portrait

2014.04.15 Tuesday




 

火星

2014.04.15 Tuesday




火星かな?


 

テッペン!

2014.04.11 Friday


 

小野さんの新しい本が発売されました。富士山の頂上からの絶景写真集です。
空の色も光も雲の形も、こんなにも多彩な表情があるんだなと小野さんがファインダー越しに見た景色を追体験するような気持ちで写真を眺めました。
今年は小野さんが富士山に登り始めて10年目の年。撮りためた写真を本という形で多くの人に見てもらえることをとっても嬉しく思います。


講談社のテッペン!紹介ページ



 

today's portrait

2014.04.08 Tuesday